ケガの処置をしてから、次のエイドまでの約30キロが本当にきつかった。
たぶん、相当出血していたのであろう、頭はボーっとし、600ルーメンのヘッドライトを使っているのに暗く感じる。ペースは、ガクッと落ち、息が切れやすい。軽く貧血症状になってたのだろう。
次のエイドでは、クルーとペーサーが待っている。
ちょっとコースは変わったけど、何度も何度も走ったことのあるトレイル。慣れ親しんだトレイル。こんだけ苦しんだのは、後にも先にも今年だけだろうなぁ。
夜なのに、やけに暑く感じてきた。傷の影響だろうか。
袴岳を降り、妙高エリアへ。そこからは未知の道。石川くんはじめ、関係者の方々が新たに整備したトレイル。そこが本当に登れなかった。水もなくなり、満身創痍。あとちょっとで関山エイド。細かなことは考えられない。いつもなら走るだろう傾斜も走れない。ただ弱気にはならなかった。這ってでもゴールするつもりだったし。
どんなことがあっても、たどり着く。それだけ考えて、一歩一歩、足を進めた。